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雑誌

看護技術2019年12月号

『月刊雑誌』2019年12月号
Vol.65 No14 通巻954号

看護技術2019年12月号

“望ましい死”に寄り添うケア
終末期がん患者のQOLを高めるために
編集協力/宮下光令
在宅看取り 看護師にできること
:援助を言葉にして,伝えること
執筆/小澤竹俊
B5判/104頁/定価1,430円(本体1,300円+税10%)
401120


●説明
第1特集

“望ましい死”に寄り添うケア
 終末期がん患者のQOLを高めるために

  編集協力/宮下光令(東北大学大学院医学系研究科保健学専攻緩和ケア看護学分野 教授)

 超高齢・多死社会といわれるわが国では,今後看護師が患者の“生老病死”にいかに寄り添うかが重要な課題となっている.それは,患者が考える“望ましい死”(Good Death)をいかに実現するか,そのためにどのようなケアをすべきかが問われていることを意味するが,“望ましい死”は患者によって千差万別であり,何をもって最善とするかは必ずしも明確ではない.
 本特集では“望ましい死”という言葉を紐解きながら,終末期がん患者のQOLを高めていくための具体的な実践例と評価手段を解説する.

第2特集

在宅看取り 看護師にできること
 :援助を言葉にして,伝えること

  執筆/小澤竹俊 (めぐみ在宅クリニック 院長/エンドオブライフ・ケア協会 代表理事)

 在宅看取りは,「住み慣れた場所や親しい人と共に最期を迎えたい」という患者のニーズを満たし,QOLを高めるために非常に重要である.一方で,「在宅で看取る」ことに対し患者家族・医療者の感じるハードルが高いため在宅への看取りの場の移行が進んでいない.看護師も,在宅で最期を迎えたいと考える患者・家族のニーズや支援方法がわからず,困惑している現状がある.
 本特集では,在宅看取りがなぜ進んでいないのか,医療者にはどのようなことができるのか・求められるのかを解説し,在宅看取りに対する理解を促すことで,在宅看取りの推進に寄与することをねらいとする.
●目次
第1特集

“望ましい死”に寄り添うケア
 終末期がん患者のQOLを高めるために

     編集協力/宮下光令

Part1 “望ましい死”とは何か:日本人にとってのGood Deathとその達成
     宮下光令・升川研人

Topic 死の質世界ランキング
     升川研人・宮下光令

Part2 項目別 GDIから見えるQOL向上のためのケアのポイント
  ➊身体的苦痛の緩和:からだや心のつらさを和らげるためには
     橋紀子

  ➋医師や看護師を信頼できる:信頼される医療者になるためのコミュニケーション
     重野朋子

  ➌家族や他人の負担にならない:終末期がん患者の負担感に対する望ましいケア
     平塚良子

  ➍療養環境:望んだ場所で過ごすためには
     石井容子

  ➎意思決定支援:希望や楽しみをもって生きるには
     伊藤奈央

  ➏後悔を最小限に最期を迎える:人生をまっとうしたと思えるには
     青山真帆

Part3 事例から考える“望ましい死”を実現するために看護師ができるケア
  ➊在宅療養中心から臨終期を病院で看取った症例
   :最期に伝えたいことを伝えることの意義

     林 ゑり子

  ➋最後までできるだけの治療を行うことを望んだ白血病患者の事例
     李 美玲

  ➌身体的苦痛の緩和:“望ましい死”の実現のために患者のつらさを見極める
     高野純子

第2特集

在宅看取り 看護師にできること
 :援助を言葉にして,伝えること

     執筆/小澤竹俊

連 載

スキンケア用品の正しい選び方・使い方(最終回)
終末期のスキンケア:肺がんのD氏B
  帶刀朋代

患者の“食べたい”を支えるテクニック(最終回)
困難事例での対応
  竹市美加

予期せぬ急変の徴候を見逃さない(最終回)
高齢者における急変前の予兆とは【知識・実践編】
  細萱順一

インシデントから学ぶ 日常ケアに潜む落とし穴(最終回)
「日常ケアに潜む落とし穴」に落ちないために
  黒川美知代

疾患を限定しない緩和ケア(最終回)
難治性喘息により呼吸困難がある患者への介入
  千葉恵子

看護現場での倫理的ジレンマに向き合うための考え方(最終回)
倫理的ジレンマに向き合う:連載をおえるにあたって
  習田明裕
●その他
【次号予告】
 2020年1月号は2019年12月20日発売!

第1特集

高齢者のせん妄を防ぐ!
 看護師ができる療養環境調整

  編集協力/ 中筋美子(兵庫県立大学看護学部 講師,老人看護専門看護師)

 せん妄には様々な要因があるが,看護師が積極的に介入することで促進因子を軽減・除去することができる要素は多い.な
かでも,療養環境の調整は看護師が積極的に介入できるせん妄予防として効果的である.高齢患者にとって病棟は,入院生活
の大半を過ごすことになる場にもかかわらず,非日常的な空間のため患者にとって様々なストレスを生じさせる.そのため,
患者の「日常」に近づけていく環境調整の工夫や,生活リズムを整えるためのケアなどが必要となってくる.
 本特集では高齢者のせん妄を防ぐための療養環境調整について,看護師が押さえるべきポイントを中心に解説する.

第2特集

看護師が押さえるべき
 せん妄評価尺度

  編集協力/卯野木 健(札幌市立大学 看護学部 教授)

 せん妄の評価尺度にはICDSCやDSTなど色々な種類があり,どの評価尺度を用いてアセスメントを行っていくかは重要なポ
イントとなる.
 本特集では,それぞれの特徴や使用すべき対象患者といった看護師が押さえるべきポイントや,使用する際の注意点,具体
的な使用方法を紹介する.


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