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雑誌

看護技術2009年4月増刊号

『月刊雑誌』2009年4月増刊号
Vol.55 No5 通巻805号

看護技術2009年4月増刊号

焦点/看護技術こんなときどうする?困ったときの対応
藤井徹也(名古屋大学医学部保健学科・准教授),工藤美子(兵庫県立大学看護学部・准教授)
B5判/172頁/定価2,640円(本体2,400円+税10%)
401041


●説明
学生にとっては学内演習や実習施設で,看護職にとっては臨床現場で,適切な看護技術の実施が求められます. しかし,時として行う予定の看護技術がうまく実施できなかったり,途中で予期せぬ出来事に遭遇したりすることがあります.そのようなときには,適切な対応が求められ,それを確実に実施することが重要となります.多くの書籍で看護技術の基本的な実施方法を紹介していますが,誤った技術を行った場合や予期せぬ出来事が生じた場合の対応策について,十分記載されているとはいえません.問題への対応策が適切に行えなければ,実施する対象者に好ましくない影響を与えるほか,実施者本人も感染などの危険を被ることになりかねません.


本号では,第1部で,学生や新人看護師向けに,看護技術がうまく実施できなかったときや移送時などで予期せぬ出来事に遭遇した場合など51の様々な場面を提示し,そのような場合の対応策と,対応策に関連する根拠や実施するうえでのポイントを紹介しました.誤った技術を実施した場合や予期せぬ出来事が生じたときに,あわてることなく根拠に基づく適切な対応策が実施できるよう,イラストを中心にわかりやすく解説しました.ただし,どのような場面においても,まずは基本的な技術を誤りなく提供することが求められていることはいうまでもありません.日頃から適切な看護技術が提供できるように必要な知識の修得と技術の練習を繰り返し行うことが大切です.


第2部では,形態機能にかかわる事項について,臨床でふと疑問に思うことを取り上げて解説しました.実際の臨床場面で次のような疑問を感じませんか.たとえば,「どうして手術のときにウィンスロー孔へドレーンを挿入するのだろうか」「神経はどのように連絡しているのだろうか」など,いかがですか.本号では,臨床で働く看護職の方が疑問に思うことや看護教育者が教授時に難しく感じている形態機能について,図を多用し,より具体的に理解できるよう解説しています.熟読することで,今後の実践につながる知識になると考えています.
●目次
焦 点
看護技術こんなときどうする?
困ったときの対応



編集/藤井徹也(名古屋大学医学部保健学科),工藤美子(兵庫県立大学看護学部)

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第T部 こんなときどうする?困ったときの対応

<注射>
1.点滴が時間どおりに終わらない
2.時間で決まっている点滴をし忘れた
3.注射薬を混合したら混濁した
4.内服直後に患者さんが嘔吐
5.麻薬をこぼしてしまった
6.注射をしたら,間違って動脈(神経)を穿刺してしまった!
7.採血時,静脈に針が入らない
8.点滴のルート内に小さな気泡がある
9.シリンジポンプの閉塞アラームが鳴っている
10.点滴中の患者さんが痛みを!腕も赤く腫れている@成人編
11.点滴中の患者さんが痛みを!腕も赤く腫れている@小児編 
12.点滴が逆血している
13.新鮮凍結血漿のオーダーが出た
14.ミキシングするはずの薬剤を忘れていた
15.点滴でかゆみや発赤,気分不快が出現した
16.点滴が落ちない,流量が安定しない
17.インスリン注射前の血糖測定を忘れた
18.RCC追加時,パックが破損して血液が漏れ出した


<安全管理>
1.夜勤の巡視中に急変患者を発見した
2.患者さんに使用した針を,自分の指に刺した!
3.患者さんが自己抜針!! 部屋中が血だらけに…
4.チューブ類(中心静脈カテーテル,ドレナージチューブなど)の自己抜去を発見した
5.患者さんが転倒した!
6.分娩後の歩行時に,褥婦さんがふらついて倒れそう!
7.移送中に患者さんがけいれん発作を起こした
8.点滴交換の時間に患者さんが見当たらない
9.大変! 抗がん剤を素手で触ってしまった!
10.輸液ポンプの電池が切れた
11.輸液ポンプの閉塞アラームがひっきりなしに鳴る
12.同姓で取り違え,赤ちゃんを間違った新生児用コットに寝かせていた
13.赤ちゃんがベッドから転落していた!
14.カンガルーケアでお母さんのアイスノンが赤ちゃんに当たっていた
15.臍帯を絹糸で結ぼうとしたとき,皮膚も一緒にくくってしまった!
16.体位変換時,人工呼吸器の接続部がはずれてしまった
17.バイトブロックを交換中,挿菅チューブが抜けてきた


<感染管理>
1.使用前に滅菌物を汚染した
2.処置中の患者の血液が眼に入った
3.急いでいたので手指消毒剤のみ使用した


<食事>
1.誤嚥? 食事中にのどを押さえて苦しんでいる!
2.同姓の名字の赤ちゃんが,他のお母さんの搾乳を飲んでしまった
3.経腸栄養の前吸引で,食物が吸引された
4.経腸栄養剤と薬を一緒に混ぜて投与した


<清潔>
1.いつもの清拭中に突然患者さんの意識がなくなった!
2.赤ちゃんの沐浴中,手袋をしていて湯が熱いことがわからなかった!
3.赤ちゃんの爪切りをしていたら皮膚を切ってしまった!
4.口腔清拭中,出血してしまった


<導尿,浣腸>
1.導尿中に尿の流出がみられない@男性編
2.導尿中に尿の流出がみられないA女性編
3.浣腸の途中で患者さんが便意を催した
4.浣腸中や排便中に患者さんが気分不快を訴えた


<バイタルサイン,検査>
1.血圧測定時,健側に点滴刺入やシャント造設がされていた
2.血管音がおかしい(収縮期血圧が聴こえない,0mmHgまで聴こえる,測定途中で音が消える)
3.MRI室に入れ歯をはめたまま入室してしまった
4.採血後,患者さんが失神した


第U部 臨床場面で役立つ形態機能学

1.神経細胞の長さ
 /酒井一由(藤田保健衛生大学短期大学)

2.門脈って何?
 /酒井一由(藤田保健衛生大学短期大学)

3.リンパ系の働きと構成
 /酒井一由(藤田保健衛生大学短期大学)

4.中心静脈はどこにある?
 /酒井一由(藤田保健衛生大学短期大学)・他

5.殿部への筋肉内注射を行ううえで注意する神経,血管は?
 /佐藤好恵(関西福祉大学看護学部)

6.味覚と神経
 /太田慶一(愛知医科大学医学部)・他

7.ウィンスロー孔とダグラス窩
 /太田慶一(愛知医科大学医学部)・他

8.S状結腸とマッサージ
 /太田慶一(愛知医科大学医学部)・他

9.子宮とつながる臓器,子宮を取り囲む臓器
 /玉腰浩司(名古屋大学医学部保健学科)・他

10.赤ちゃんの成長に合わせて大きくなる子宮
 /玉腰浩司(名古屋大学医学部保健学科)・他

11.お母さんのお腹の上からとらえた子宮の変化
 /玉腰浩司(名古屋大学医学部保健学科)・他
●その他
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