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雑誌

看護技術2012年10月増刊号

『月刊雑誌』2012年10月増刊号
Vol.58 No12 通巻854号

看護技術2012年10月増刊号

フットケア創傷治療Q&A
大浦紀彦
B5/88頁/定価2,592円(本体2,400円+税8%)
401101


●説明

フットケア創傷治療 Q A

糖尿病外来、透析室、循環器科など

フットケアにかかわる看護師必携!


これからの看護師に必要な医学的知識高度な技術が満載!

・「足変形」「潰瘍」「虚血」などの病態、検査、ケアがわかる
・オールカラーだから、豊富な写真資料で症状がよくわかる
・看護師のニーズに応える全65問

企画・編集にあたって
大浦紀彦(杏林大学医学部形成外科・准教授)


 近年、外来での「糖尿病合併症管理料」が認められるようになり、外来における糖尿病足病変に対するフットケアが脚光を浴びています。その結果、糖尿病の患者さんの足を診る機会が多くなりました。さらに、フットケア外来においては、CLI(重症下肢虚血)や静脈性潰瘍、リンパ浮腫といった多様な足病変に遭遇する機会も増加しています。これらの足病変をもつ患者さんは、糖尿病、腎疾患など、様々な基礎疾患や合併症を抱えています。外来・病棟を問わず、これらの基礎疾患に対する検査、治療の知識は必須です。
 現在、看護師やコメディカルを対象としたフットケアの書籍は数多くありますが、本誌を企画するにあたっては、「実際の臨床現場で使える本」をイメージしました。
 通常の教科書や解説本は、「解剖」「疾患」「治療」「ケア」……という項目立てで作成されていますが、本特集では、足の症状・状態を診て、関連のある項目をすぐに調べることができるように、「足変形」「潰瘍」「壊疽」「浮腫」「炎症」などと項目立てを行いました。外来で患者さんの足を診ながら勉強できるよう、症状から診断、治療につながるような構成になっています。内容もQ&A形式とし、知りたい情報を短時間で理解できるよう簡潔にまとめています。さらに、ほかの書籍では記載が少ない免荷や足の創傷処置、リハビリテーションについての項目もあります。
 執筆に関しましては、足病治療とケアのエキスパートの先生方にお願いをいたしました。読者諸氏の臨床の現場で、お役に立てる本に仕上がったと自負しております。読者の皆様の座右の書として末永くお手元においていただければ、編者としてこの上ない幸せです。


現状を踏まえて〜本書への期待〜
溝上裕子(公益社団法人日本看護協会 看護研修学校 認定看護師教育課程・課程長)


これからの日本は急速に進む高齢化・多死社会を迎えるにあたり、医療のありかたを大きく変化させていくことが求められています。看護師も、働く場所が病院だけでなく、保健施設や老人施設、そして在宅の場など多様化していくでしょう。このような背景のなかで、高齢者を中心に下肢創傷の増加が懸念されています。現在も多くの下肢切断が施行されています。その要因には、糖尿病患者の増加と、高齢化で糖尿病罹患期間の長期化による合併症の重症化があります。こうした下肢切断例の増加を食い止めるためには、医療現場で活躍する看護師が不可欠な看護ケアとして、フットケアを行うことが求められています。
 これまで、看護師は爪切りや足浴を中心としたケアで患者を支えてきましたが、今後、重症の下肢病変患者を救済するためには、早く足病変を発見し治癒へ導く、より高いレベルのアセスメントとケアが求められます。このとき、必要とされる知識・技術は、糖尿病や循環器疾患、外科的治療など様々な領域に及んでいます。
 本書は、このような広範な知識・技術をコンパクトに凝縮し、今まで知り得なかった多診療科の知識を網羅した一冊です。筆者の先生方の豊かな経験に裏づけされた“知”に触れることで、明日から実践できるフットケアと、高いレベルのフィジカルアセスメントを手に入れることができるでしょう。
●目次
Part 1. 足変形

Q 1 なぜ、糖尿病神経障害によって変形が起こるの?
Q 2 糖尿病神経障害を診断する方法にはどのようなものがあるの?
Q 3 糖尿病神経障害によるシャルコー変形とはどのような病態?
Q 4 糖尿病患者は骨折しやすいというのは本当?
Q 5 ハンマートゥやクロウトゥの何が危険なの?
Q 6 ハンマートゥやクロウトゥに対してどのようにフェルトを使用するの?
Q 7 外反母趾に対する治療にはどのようなものがあるの?

Part 2. 潰 瘍

Q 8 足変形と胼胝はどのように関係しているの?
Q 9 胼胝を発見したら、どのようなケアを行えばいいの?
Q10 足変形によってできた潰瘍に荷重をかけないためには、フェルトをどのように使用するの?
Q11 足底潰瘍のためのギプス、total contact castって何?
Q12 静脈性潰瘍はどのように評価するの?
Q13 静脈性潰瘍にはどのような特徴があるの? リンパ浮腫や動脈性潰瘍とは、どのように見分けるの?
Q14 静脈性潰瘍に対する圧迫治療はどのように行えばいいの?
Q15 静脈性潰瘍の創に対しては、どのような治療が効果的なの?
Q16 治りにくい糖尿病潰瘍は、どのような手順で治療すればいいの?
Q17 糖尿病潰瘍の創に対しては、どのような治療が効果的なの?
Q18 下腿の褥瘡好発部位はどこ? 効果的な予防方法はあるの?
Q19 膠原病性潰瘍にみられるレイノー現象って何?

Part 3. 壊 疽

Q20 CLIの壊死組織にはどのような処置が有効なの? デブリードマンが適応となるのはどんな症例?
Q21 CLIでミイラ化した部位はどのように処置すればいいの?
Q22 神経障害性潰瘍による壊疽を洗浄してもいいの?

Part 4. 浮 腫

Q23 下肢浮腫をきたす疾患には何があるの?
Q24 静脈不全や下肢静脈瘤による浮腫に対する圧迫療法はどのように行うの?
Q25 静脈性潰瘍や下肢静脈瘤、深部静脈血栓症予防における圧迫療法で、医療器機関連褥瘡の発生を予防するにはどうしたらいいの?
Q26 慢性静脈不全や下肢静脈瘤による浮腫に対する外科的治療はどのようなものがあるの?
Q27 リンパ浮腫はどのように起こるの?
Q28 リンパ浮腫に対してどのような外科的治療があるの?
Q29 リンパ浮腫と静脈うっ滞性潰瘍に対して行う圧迫療法では、どのような違いがあるの?

Part 5. 炎 症

Q30 リンパ浮腫による蜂窩織炎はどのように起こるの? どのようにケアすればいいの?
Q31 なぜ、CLI患者の血行再建後に腫脹が起こるの?

Part 6. 爪変形

Q32 爪白癬にはどのようなケアを行えばいいの?
Q33 爪白癬にはどのような治療を行えばいいの?
Q34 陥入爪にはどのような治療を行えばいいの?

Part 7. 感 染

Q35 足趾が糖尿病潰瘍となり感染した場合、膿は足部のどこに貯留するの? どのような症状がみられるの?
Q36 CLIによる感染には、どのように対処すればいいの?
Q37 ガス壊疽とはどんな症状で、どんな治療が効果的なの?
Q38 なぜ、高気圧酸素治療はガス壊疽や壊死性筋膜炎に効果的なの?

Part 8. 虚 血

Q39 視診や触診でCLIを見抜くには何がポイントになるの?
Q40 CLIの客観的評価指標であるABI検査、SPP検査、連続波ドプラ検査はどのように実施すればいいの?
Q41 CLIを治療する際に用いられるアンギオゾームって何?
Q42 CLIではどのような症例が血行再建術の適応となるの? 血行再建術にはどのようなものがあるの?
Q43 血行再建術が適応とならないCLI患者に対する治療には、どのようなものがあるの?
Q44 CLI患者に対してどのように疼痛管理を行えばいいの?
Q45 CLI患者に抗凝固薬、抗血小板薬を使う際のポイントは?
Q46 急性動脈閉塞って何? どのようなリスクがあるの?
Q47 ブルートゥ症候群とはどのような状態をいうの?
Q48 ブルートゥ症候群はどのように治療するの?
Q49 ブルートゥ症候群の治療法であるLDLアフェレーシスって何?

Part 9. 術後ケア

Q50 大切断後の患者の管理は何に気をつけて行えばいいの?
Q51 切断後、義足を管理するときに注意すべきポイントは何?
Q52 バイパス術後に注意すべきポイントは何?
Q53 血管内治療(EVT)後に注意すべきポイントは何?

Part 10. 治療・創傷処置

Q54 壊死組織を除去する方法(デブリードマン)には、どのようなものがあるの?
Q55 デブリードマン後の創部に対する効果的な創傷被覆材と外用抗菌薬の使い方は?
Q56 デブリードマン後の創部を傷つけないように、保湿やスキンケアを効果的に行う方法は?
Q57 デブリードマン後に行う局所陰圧閉鎖療法は、どのような治療法なの?
Q58 デブリードマン後に感染を予防するには、どのように抗菌薬を使用すればいいの?
Q59 炭酸泉浴には、どのような効果があるの?

Part 11. フットウェア

Q60 足変形にかかわる歩行のバイオメカニクスって何?
Q61 なぜ、足病変の治療ではフットウェアが重要なの?
Q62 治療用サンダルは普通のサンダルと何が違うの?

Part 12. リハビリテーション、栄養管理

Q63 足切断術後の周術期ではいつからリハビリテーションを開始すればいいの?
Q64 足切断患者のリハビリテーションはどのように行うの?
Q65 足病変患者の栄養管理は何に気をつけて行うべきなの?