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雑誌

看護展望2013年5月号

『月刊雑誌』2013年5月号
Vol.38 No6 通巻469号

看護展望2013年5月号

“囚われ”の看護倫理から “よく生きる”看護倫理へ
B5判/88頁/定価1,540円(本体1,400円+税10%)
402050


●説明
特 集
”囚われ“の看護倫理から”よく生きる“看護倫理へ

 『看護者の倫理綱領』にあるように、看護職は人々の健康と生活を支える援助専門職であり、人間の生と死という生命の根元にかかわる問題に直面することが多いため、その判断と行動には高い倫理性が求められます。看護職は、実践・研究・教育などの様々な場面において倫理的に思考し、看護職として正しい在り方を常に考えなくてはならず、そのための基盤となるものが倫理綱領や倫理原則であるといえます。しかし、それらを思考の基盤ではなくルールとしてとらえ、自分の実践や研究、教育がそれらのルールに“適合しているか”を考えることにばかり熱心になることで、倫理に“囚われ”てしまっていることはないでしょうか。また、研究に対する倫理審査の基準が、“何のために守るのか”を考えることなく形式的なルールとして運用されている場面はないでしょうか? 本来、倫理は枠組みとして思考や行動を規定するものではなく、“よく生きる”ための拠り所であり、そこから一人ひとりが自らの思考を広げていくことこそが本当の意味での倫理的思考だといえるでしょう。本特集では、看護倫理が“囚われる”ものではなく、逆に看護職をエンパワーし、看護職として“よく生きる”ための拠り所となるものであることを、実践・研究・教育における様々な事例をとおしてお伝えします。
●目次
特  集 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

”囚われ“の看護倫理から”よく生きる“看護倫理へ

倫理は形ではない
  枠組みに囚われない倫理的思考のすすめ


  小西恵美子(鹿児島大学医学部)


わが国の看護研究における倫理審査委員会の形式性

  前田樹海(東京有明医療大学看護学部)


倫理が人をエンパワーする理由
 
  八尋道子(佐久大学看護学部)


看護倫理と看護の言語化
  看護を「語ること」「書くこと」


  鈴木真理子(佐久大学看護学部)


囚われの倫理から本当の倫理へ

  河野梢子(大分県立看護科学大学)




SERIES―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


看護管理者のための病院経営数字力
   平均単価へのアプローチ/福田暁子

考える看護師を育む院内シミュレーション教育
   シミュレーションシナリオを作成しよう(2)/津嘉山みどり

考える看護学生を育てるための授業づくり
   看護実践を考える―事例検討の方法/新井英靖

採択される看護研究論文 超入門編
   論文のタイトルとキーワード/秋元典子

生き生きと働ける職場をつくる看護マネジメント
   社員第一主義の会社からモチベーションの源泉を学ぶ/石田秀朗

看護師長に期待する経営参加
   医療経営戦略論―その@/石谷邦彦

組織とスタッフの活力を高めるモチベーション・マネジメント
   モチベータを育てる/陽川一守

看護のなかの臨床心理学
   転移/逆転移A もう一つの逆転移/樫村通子

BOOK――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

こころをみつめる
  デービッド・G・マレッロ・他 著/
  大橋健,岡崎研太郎・他 訳/
  石井均 監訳
  『糖尿病 1000 年の知恵
  〜私たちが患者さんから学んだこと〜』

  /皆藤 章


NEWS――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

Scope 今月の動き
  新たなダニ媒介性疾患SFTS 
  8症例分析
  患者は50代以上、 西日本に集中



CONTRIBUTION――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

投稿
  入学試験の評価に関する研究
  ―入学試験成績と基礎看護学
  成績との相関を中心に

  /堤 朝子・他

●その他
2013年6月号――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
特集:いまの看護師の育成に必要な視点
   専門能力以前に求められる社会人基礎力


 2006年に経済産業省が提唱して以来、企業や大学などで注目を集めている「社会人基礎力」。これは、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」と定義され、3つの能力と12の能力要素から構成されます。昨今では看護界でも関心が高まり、一部の医療機関では院内研修などに社会人基礎力の視点を取り入れています。3つの能力「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」を高めることで、他職種と協働しながら自律的に看護を行うことができる看護職に育つことが期待されるでしょう。
 本特集では、社会人基礎力の育成が求められるようになった背景や考え方について解説するとともに、その育成のために各医療機関や教育機関で行われている取り組みを紹介します。


いま看護職に求められる「社会人基礎力」とは
   
  高橋恵(聖マリアンナ医科大学病院)
 
社会人基礎力を高めるための院内研修
   
  近藤昭子(聖マリアンナ医科大学病院)

なぜ社会人基礎力に行き着いたのか?
コンセプトの誕生から実践への成長の過程

   
  諏訪康雄(元・法政大学大学院政策創造研究科)

埼玉県立大学看護学科における社会人基礎力の育成
   
  鈴木玲子・常盤文枝(埼玉県立大学看護学科)

中央大学理工学部における社会人基礎力の育成
   
  牧野光則(中央大学理工学部)

医療機関を対象とした社会人基礎力育成研修
   
  渥美崇史(株式会社日本経営)

【社会人基礎力育成グランプリ2013 準大賞校】
コミュニティ形成を通じた社会人基礎力の育成

   
  垣花渉(石川県立看護大学)