雑誌
『月刊雑誌』2013年8月号
Vol.38 No9 通巻472号
看護展望2013年8月号
院内暴力への対応力を磨くスタッフ教育
B5判/88頁/定価1,540円(本体1,400円+税10%)
402080
- ●説明
- 特 集
◆院内暴力への対応力を磨くスタッフ教育
昨今、病院内で職員が患者から暴力を受ける、いわゆる“院内暴力”が深刻化しています。ある調査によれば、都内の私大病院に勤務する4割以上の職員が患者等からの暴力や暴言を受けた経験があり、医療職のなかでも最も多くの時間を患者と過ごす看護師は、特に被害を受けやすいといえるでしょう。
そのため、多くの病院で院内暴力への対策が講じられ、マニュアルの整備や警察OBの雇用、職員への暴力回避技術の教育など、様々な取り組みが行われています。しかし、実際に職員が暴力に直面したとき、それらはうまく活用されているでしょうか? 患者からの暴力にさらされても、場合によっては職員がそれを「暴力」と認識していないために適切な対応がなされないというようなことはないでしょうか? あるいは興奮している患者に過剰な対応をしたがために、かえって暴力をエスカレートさせてしまったことはないでしょうか? 院内暴力に対して職員が適切に対応するためには、ただマニュアルや緊急コールなどの環境を整えたり、護身術のような技術を教えたりするだけではなく、それらをどのような場合にどう用いるのかを教育し、正しく理解してもらうことが大切であるといえます。管理者も含めた職員全員に教育を行い、院内暴力に対する正しい理解と意識を育むことは、発生した暴力への対応だけでなく、そもそも暴力を発生させない安心・安全な職場づくりへとつながっていくでしょう。
本特集では、暴力発生時の対応から被害者へのフォローまで、院内暴力対策を目的とした職員教育の様々な事例や研究を紹介し、効果的な職員教育を行うためのヒントを提示します。
- ●目次
- 特 集 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆院内暴力への対応力を磨くスタッフ教育
●院内暴力への対応力を育む職員教育
三木明子(筑波大学医学医療系)
●院内暴力対策としての職員教育の効果
黒田梨絵(筑波大学大学院人間総合科学研究科)
●アクションチェックリストを用いた
院内暴力に対する職員教育
三木明子(筑波大学医学医療系)
●関連病院全体で取り組む!
暴力防止のためのシミュレーション教材の作成と学習会の効果
高嶺朝広(沖縄医療生活協同組合常務理事・とよみ生協病院院長・安全安心推進部部長)
●院内暴力対策としての職員教育に求められるもの
福田久子(筑波メディカルセンター病院)
●暴力を受けた看護師を支援するために必要なこと
田辺有理子(横浜市立大学医学部看護学科)
SERIES―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆ [最終回]
考える看護学生を育てるための授業づくり
看護師の「他者性」の成長とキャリア形成/新井英靖
◆ 看護管理者のためのDPCマネジメント講座
今後の医療制度の動向とDPC/奥中美帆
◆ 組織とスタッフの活力を高めるモチベーション・マネジメント
研修の効果測定とモチベーション/永瀬隆之
◆ 看護師長に期待する経営参加
医療経営組織論―そのA 組織とは何か?/石谷邦彦
◆ 生き生きと働ける職場をつくる看護マネジメント
堀場製作所から学ぶ“職員を大切にする姿勢”/石田秀朗
◆ 採択される看護研究論文 超入門編
結果と考察の一貫性 飛躍しない記述/秋元典子
◆ 考える看護師を育む院内シミュレーション教育
学習者の思考を深めるデブリーフィング/津嘉山みどり
◆ 看護のなかの臨床心理学
受容と共感/樫村通子
BOOK――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆ こころをみつめる
鎌田 洋 著 『ディズニー そうじの神様が教えてくれたこと』
/皆藤 章
NEWS――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆ Scope 今月の動き
子宮頸がん予防ワクチン
接種勧奨を一時中止 国が勧告
CONTRIBUTION――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆ 投稿
交流分析を用いた新人看護師のバーンアウト予防の試み
平野利治・他
- ●その他
- 2013年9月号――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
特集:看護教育のブラッシュアップ
研究授業の実践と成果
授業の目的は学生に知識や技術を習得させ、さらにそれを実践の場で活用できるように育てることです。つまり、教える知識や技術自体は同じでも、時代の流れに伴い授業の受け手である学生が変化し、そして学んだことを実践する場の状況が変化すれば、当然授業のあり方もそれに合わせて変化していかなければなりません。そのために一般的な小・中・高等学校の教育現場では、校内外の教員が協力して研究授業を行っていますが、看護学校では十分に行われているとは言い難い状況です。臨床と基礎教育の乖離や学生の基礎学力低下が大きな課題となっている昨今、常に授業のあり方を見直し効果的な授業方法を考えていく取り組みが現場の教員に求められているといえるでしょう。
本特集では、継続的に研究授業を行い成果をあげている看護学校の取り組みから、研究授業を行ううえでのポイントと具体的な実践方法を紹介します。
研究授業がなぜ必要か
研究的に取り組む授業の効果
池西静江(Office Kyo-Shien代表)
授業の質が高まる研究授業の方法
石束佳子(京都中央看護保健大学校)
相模原看護専門学校の研究授業の取り組み
斎藤秀子(相模原看護専門学校)
研究授業を体系化し、実践・継続していくための工夫
小林由香・堀 由起子(広島市立看護専門学校)
京都中央看護保健大学校の研究授業の取り組み
阿形奈津子・山本絵奈(京都中央看護保健大学校)