雑誌
『月刊雑誌』2013年9月号
Vol.38 No10 通巻473号
看護展望2013年9月号
いま看護教育に求められている 研究授業の実践と評価
B5判/88頁/定価1,540円(本体1,400円+税10%)
402090
- ●説明
- 特 集
◆いま看護教育に求められている 研究授業の実践と評価
学校教育の中心は授業(=講義・演習・実習)であり、“教育の質”を高めることは“授業の質”をいかに高めるかにかかっているといえます。授業の質を高めるために、一般的な小・中・高校では「研究授業」が行われており、授業を他の教員が参観することで課題を明確化し、授業のさらなる改善に向けて取り組んでいます。
しかし、こうした取り組みが看護基礎教育の現場では十分に行われておらず、授業の質が個々の教員の努力と力量に大きく依存しているのが現状です。その一
方で、昨今は臨床現場で求められる能力と看護基礎教育内容の乖離が問題視されており、看護基礎教育における授業改善は喫緊の課題であるといえるでしょう。
学校全体をあげて研究授業に取り組み、教員どうしが協力し、さらには学生までも巻き込んで授業を改善していく。そして、そのような取り組みが継続的に行
われるシステムを学校内および学校間で整えることが、これからの看護教育を変えていく鍵になるといえます。
本特集では、看護学校における研究授業の意義と効果について述べるとともに、組織的かつ継続的に研究授業に取り組んでいる学校の事例を紹介します。良い
アドバイザーの存在や、研究授業に取り組む教員を支援していくためのシステムづくりなど、組織的に研究授業を推進していくためのヒントとなれば幸いです。
- ●目次
- 特 集 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆いま看護教育に求められている 研究授業の実践と評価
●研究授業がなぜ必要か
研究的に取り組む授業の意義と効果
池西靜江(Office Kyo-Shien 代表,前(専)京都中央看護保健大学校 副校長)
●授業力の向上を目指して
研究授業・公開授業の取り組みの経過から
石束佳子((専)京都中央看護保健大学校 副学校長)
●研究授業を継続的に実践してみて
学生が主体的に参加できる授業を目指して
阿形奈津子((専)京都中央看護保健大学校 看護学科 副学科長)
●身体内部の構造と
フィジカルイグザミネーションをつなげる授業
山本絵奈((専)京都中央看護保健大学校 看護学科 専任教員)
●いま学生に求められる力を育むための研究授業の取り組み
齋藤秀子(相模原看護専門学校 学科長)
●研究授業を体系化し実践・継続していくための工夫
小林由香・堀由起子(広島市立看護専門学校 専任教員)
SERIES―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆ 組織とスタッフの活力を高めるモチベーション・マネジメント
ダイバーシティ・マネジメントとモチベーション/永瀬隆之
◆ 看護師長に期待する経営参加
医療経営組織論―そのB 組織化のプロセス/石谷邦彦
◆ 看護管理者のためのDPCマネジメント講座
DPC と日数管理/奥中美帆
◆ 採択される看護研究論文 超入門編
適切な日本語の記述/秋元典子
◆ 生き生きと働ける職場をつくる看護マネジメント
Plan・Do・See から学ぶ“連帯感にこだわる姿勢”/石田秀朗
◆ 考える看護師を育む院内シミュレーション教育
シミュレーション研修の評価/津嘉山みどり
◆ 看護のなかの臨床心理学
心理療法的看護のために @看護師―患者関係/樫村通子
BOOK――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆ こころをみつめる
木村秋則・石川拓治 著 『土の学校』
/皆藤 章
REPORT―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆ 学会レポート
「第15回日本在宅医学会大会」
報告レポート
生き方に向き合う在宅医療
〜高齢社会から多死社会へ〜
/今村美都
NEWS――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆ Scope 今月の動き
終末期医療のガイドライン
「知らない」3〜5割、「参考にしていない」2割
CONTRIBUTION――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆ 投稿
臨地実習体験が及ぼす看護学生の職業志向性の変化とその要因
/冨井麻里・山下美根子
- ●その他
- 2013年10月号――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
特集:インシデント・アクシデントから学ぶ!
「医療版失敗学」のはじめ方
〜各病院における導入事例とその効果〜
失敗は起こさないことが第一だが、起こってしまった失敗からは学ばなくてはいけない。しかし、失敗から学ぶにはそのための考え方や方法が必要であり、それが「失敗学」である。「失敗学」は、2000年ごろに畑村洋太郎氏(東京大学名誉教授、東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会委員長)が提唱して以来、産業界で積極的に取り入れられてきた。
そして、この「失敗学」の考え方を医療現場に応用したものが、本特集で紹介する「医療版失敗学」である。医療現場では日々インシデントやアクシデント、すなわち“失敗”が起こっており、そのデータをインシデントレポートとして収集している。しかし、それらのレポートがその後の対策に十分生かされていない場合が多く、そもそもレポート自体に本質的な原因が書かれていないケースも多い。
本特集では、起こってしまった失敗の本質を正しくとらえ、再発防止からさらにはまだ起こったことのない失敗の未然防止へとつなげることを目指し、「医療版失敗学」の考え方と医療機関における実践事例を紹介する。
医療版失敗学のエッセンス
インシデントから学び真の医療安全にトライする
濱口哲也(東京大学大学院工学系研究科 機械工学専攻)
相澤病院における導入効果
「変更点管理」による定期処方インシデントの削減
荻無里千史(社会医療法人財団慈泉会 相澤病院 医療介護福祉安全推進部)
医療版失敗学の院内への展開
再発・未然防止のための人材育成と業務改善
尾崎純(医療法人社団SEISEN 清泉クリニック整形外科 理学診療部)
医療版失敗学に基づいた安全文化の醸成
失敗想定手順書による質向上活動
三好彰範(特定医療法人友愛会 野尻中央病院)