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雑誌

看護技術2016年12月号

『月刊雑誌』2016年12月号
Vol.62 No14 通巻912号

看護技術2016年12月号

在宅におけるストーマ保有者の トラブルへの対応
編集協力/三木佳子(香川県立保健医療大学 准教授)
在宅復帰に向けた ストーマ保有者や瘻孔保有者への継続支援 退院支援と地域連携のポイント
編集協力/前川厚子(名古屋大学大学院医学系研究科 教授)
B5判/96頁/定価1,320円(本体1,200円+税10%)
401120


●説明
第1特集


在宅におけるストーマ保有者
トラブルへの対応


編集協力/三木佳子(香川県立保健医療大学 准教授)

 ストーマ保有者は,日常生活を送るなかで,術後しばらくしてから起こる合併症や入院中には生じなかった皮膚障害などのトラブルに遭遇する.在院日数の短縮が求められる昨今では,トラブルはむしろ退院後の日常生活のなかで発生するといっても過言ではない.トラブルに遭遇するとストーマ保有者は困惑し日常生活の制限を余儀なくされる.その人がもつ治療や疾患を含んだ個別的な要因が,トラブルの発生の引き金になっていることもある.しかし,ストーマ装具の改良・開発が進み,バラエティに富む装具が存在する今日では,ストーマ保有者がトラブルと感じた問題に対して,適切なアセスメントとケアにより通常の生活に戻れると考えている.したがって,日常の生活を維持するためには,遭遇したトラブルを適切にアセスメントし,個人に適したケアを展開することが重要となる.
 本特集では,まずPart 1でストーマ周囲のアセスメント方法を解説し,Part 2でストーマ部やストーマ周囲などの条件が原因で生じたトラブルへの対応を,Part 3ではストーマ合併症への対応を記述した.Part 1〜Part 3はストーマやストーマ周囲の条件に主軸がある.しかし,ストーマ保有者は,ストーマやストーマ周囲を切りとって生活しているわけではない.ストーマは人格をもって生きている人の身体の一部である.そこで,Part 4に個別的な要因をもつストーマ保有者への対応として,がん化学療法を受けているストーマ保有者や高齢者・認知障害を抱えるストーマ保有者への対応を取り上げた.特に,わが国の人口の3分の1となる高齢者に対する対応では,ホリスティック(全人的)な存在としてのとらえ方を重視した対応について解説した.
 本特集は豊富な経験をもつ皮膚・排泄ケア認定看護師が担当している.皮膚・排泄ケア認定看護師がこれまでケアした実際の症例を提示し,ケアの根拠を解説し,それぞれのケアのポイントを提示している.実際の経験に基づいた記述を,読者が容易に理解でき応用しやすい内容と感じていただけることを期待している.なお,本特集の執筆者は全員,香川県(うどん県)の在住である.読者のなかにはローカルな印象を受ける方もいらっしゃるかもしれないが,うどん県のコシのあるケアが,在宅で暮らすストーマ保有者をケアする看護師のみならず,ストーマ保有者を生活の場に送り出す病棟で働く看護師の方々にも薬味になったと感じていただけると嬉しく思う.

Part1 ストーマ周囲のアセスメント方法/山本由利子

Part2 ストーマ部やストーマ周囲などの条件が原因で生じたトラブルへの対応
 @ ストーマの形状に問題を抱える場合/政田美喜
 A ストーマ周囲の腹壁の形状に問題を抱える場合/古本祐香理
 B 排泄物の性状に問題が生じた場合/山本由利子
 C 全身の皮膚疾患を伴う場合/政田美喜

Part3 ストーマ合併症への対応
 @ ストーマ狭窄/松永 希
 A ストーマ脱出/納田広美
 B 傍ストーマヘルニア/近石昌子
 C ストーマ静脈瘤/大島由紀江
 D ス トーマ装具の不適切な管理/中澤尚子

Part4 個別的な要因をもつストーマ保有者への対応
 @ がん化学療法を受けているストーマ保有者への対応/門田千晶
 A 高齢者・認知障害を抱えるストーマ保有者への対応/三木佳子


第2特集


在宅復帰に向けた
ストーマ保有者や瘻孔保有者への継続支援

退院支援と地域連携のポイント


編集協力/前川厚子(名古屋大学大学院医学系研究科 教授)

 昨今では入院期間短縮化の動きを受けてストーマ管理における在宅医療の比重が高まっており,在宅
でストーマリハビリテーションを継続していくためにも,退院支援や地域連携は欠かせない.
 そこで本特集では,在宅復帰に向けたストーマ保有者や瘻孔保有者への継続支援として,退院支援と
多職種による地域連携のポイントについて解説する.

Part1 複雑な介護課題をもつストーマ保有者や瘻孔保有者への退院支援/前川厚子,池戸初枝

Part2 ストーマ保有者や瘻孔保有者に対する多職種連携体制の構築とその見直し強化/前川厚子,林 登志雄


連 載


皮膚からみる全身疾患(最終回)
  合理性に欠ける皮膚の所見をみたら/金児玉青

看護師のためのファーストエイド実践(最終回)
  入院中にショックに陥った患者/松尾佳胤,増山純二

がん患者の生活支援(最終回)
  遺伝の悩み/成松 恵

ベッドサイドモニタQ&A(最終回)
  BISモニタ/小泉希代子
  人工呼吸器グラフィックモニタ/上岡将之
  EV1000モニタ/大槻勝明
●その他
1月号は2016年12月20日発売!

第1特集


分子標的薬の有害事象マネジメント
編集協力/ 春藤紫乃(がん・感染症センター都立駒込病院 がん化学療法看護認定看護師)

 分子標的薬によって起こりうる有害事象を理解して予防的な対策を取るとともに,症状発生時のアセスメントとケア,症状に対するセルフケア指導を行い,患者がQOLを低下させずに分子標的薬治療を続けられるよう支援することは,がん看護にかかわる看護師にとって重要な役割である.
 本特集では,分子標的薬の作用機序や種類,起こりうる有害事象について概説したうえで,有害事象の予防策と発生時のケア,セルフケア指導のポイントを解説する.

Part1 近年のがん治療における分子標的薬の位置付け
Part2 分子標的薬の種類と作用機序
Part3 分子標的薬の有害事象
Part4 有害事象マネジメントのポイント
Part5 在宅におけるフォローアップ

第2特集

がん患者の意思決定支援
編集協力/川崎優子(兵庫県立大学看護学部 准教授)

 がん患者は,がんと診断されたとき,治療方法を選択するとき,転移や再発の告知を受けたときなど,様々な場面において重要な意思決定が必要となる.がん患者とその家族が十分な理解と納得のうえで治療方針や療養の場を選択できるよう支援することは,がん看護において非常に重要である.
 本特集では,まず日本人の意思決定スタイルやがん患者に必要な意思決定支援について解説し,がん患者の療養相談の場面における意思決定支援の実際を紹介する.

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特集 一般病棟における 認知症高齢者へのケア
    認知症高齢者の世界を知り,適切な支援を探る
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特集 急性症状・外傷の初期対応
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特集 全身疾患による皮膚症状と看護ケア
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