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書籍

臨床看護学叢書

監修のことば
 近年、病院における臨床看護の内容は、相互に関係のある多くの要素によって著明な変化をきたしている。その変化とは、第1に疾病構造の変化と在院日数短縮に伴う重症化である。一般病棟ですら、人工呼吸器や集中モニターの監視が日常化し、腹膜灌流の患者やクリーンルームに入室する患者が存在する。第2に、患者の高齢化と高度医療の結果による重看護度患者の増加である。第3に、疾患をもちつつ社会生活をする人々へのセルフケアの動機付け、ならびに断続的な治療場面が生活に取り込まれている人々へのケアの増加である。
 臨床看護の知識・技術は、何よりもベッドサイドケアに直接連動するという意味で、看護基礎教育はもとより現任教育でも重視されなければならない領域である。平成2年の看護教育カリキュラムでは、従来の疾患別看護から症状別、経過別、治療・処置別へと発想の転換が迫られた。それにより、曖昧であった臨床看護の概念を明らかにすることが求められたのだが、必ずしもそれが有効に各専門領域につながっているとは言えない。
 一方、医療機関における医学専門分類による診療科中心の運営は厳然としてあり、チーム医療の一端を担う一職種として、また現行の保健婦助産婦看護婦法での看護業務を遂行する立場からも、看護の専門性が問われている。その問いに応えるためにも、従来からの医学モデルから脱皮して、患者その人の生活様式や習慣を尊重しつつ日常生活の自立を目指す看護の視点からの臨床看護の確立は、きわめて重要な今日的課題といえよう。
 今回、上記のような問題意識による、臨床看護学叢書(全3巻)を刊行する運びとなった。編集者も執筆者も、現在わが国の看護界の中堅、若手トップの看護職で、臨床、教育、研究の第一線で学究的かつ実践的に活躍している。したがって本叢書はいずれも、過去の考え方や習慣にとらわれぬユニークで新しいものと、しかも先人の編み出した有形・無形の技術を継承・発展させ、生き生きした筆致で執筆された内容である。
 現在の教材を補うものとして、また臨床実習のサブテキストとして広く活用していただきたい。


<シリーズ最新刊>

症状別看護

症状別看護

監修/川島 みどり 日本赤十字看護大学教授
B5判/354頁/定価3,888円(本体価格+消費税)
ISBN978-4-8392-0591-1

本書では、疾患に基づく症状という従来の考え方ではなく、発現している症状をその人の日常生活を阻害する原因となっている身体的状態として位置づけた。つまり、症状そのもののアセスメントから、看護の担うべき領域である日常生活上への影響を予測し、症状を悪化させず、緩和して、日常生活を快適にするための援助を実施するという一連の流れのなかで、症状に対する看護を考えることを目指している。本書の構成としては16の主要な症状を、@身体各部に発症するものと、A全身的に発症するものの2面から取り上げた。

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