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第45回日本看護学会―看護教育―学術集会



特別講演で講演する川嶋みどり氏    第45回日本看護学会・看護教育学術集会が、9月17-18日に新潟県新潟市の朱鷺メッセ新潟コンベンションセンターにて、佐藤たづ子学術集会会長(新潟県看護協会会長)のもと「看護の未来へ あなたのチャレンジは何ですか?」を学術集会テーマに開催された。
 事前登録者数1822名に学生招待者数350名強を集めた当学術集会では、特別講演やシンポジウムのほか、減少を続ける若者をどうすれば看護の世界に振り向かせることができるのか、また、看護の世界が若者にとって魅力のあるものとなるには、看護の現場に従事する者、看護教育に携わる者はどうあるべきか、などを共通の問題意識として、口演81題、示説180題の合計261題が発表された。演題では新人教育、継続教育やキャリア支援、臨地実習における指導についての研究などが多く見受けられた。

◆今こそ医療中心から看護主体への転換点

 特別講演で「看護の原点―あるべき看護の姿・看護の主体性とは―」をテーマに語った川嶋みどり氏(健和会臨床看護学研究所所長、日本赤十字看護大学名誉教授)は、現在の医療は進歩し過ぎてしまったのではないだろうかと自身の考えを示し、患者の安全を最優先しすぎる結果、患者の尊厳、安楽性をむしろ奪ってはいないかと総括。また、大卒の看護師が増えつつある現状に、看護師の自由裁量を増やすべき時期がきたのではないのか。今が医療中心から看護主体へと切り替わる好機であり、高度医療に看護が付いていくのではなく、その医療全体を看護が引っ張っていく“看護の時代”が到来し、“医療中心”から“看護主体”への大きな方向転換が必要なときなのではないだろうかと持論を述べた。
 また、教育講演Tで「看護教育の現状と変革」をテーマに語った井部俊子氏(聖路加国際大学学長)は、一般の大学を卒業したのちに社会人経験を経て看護師課程に進む学生の割合が増加していることに触れ、学士入学制度の充実や、育児や経済的自立のためのより一層の配慮などを各看護基礎教育機関に対して求めた。また、医療には地域の違いにあったケアが今後は求められるのではないかと、現状の画一化された看護・医療のあり方から一歩進んだ地域の特色に合わせた医療“ご当地医療”の必要性を説いた。

 次回の第46回日本看護学会・看護教育学術集会は2015(平成27)年8月6-7日に奈良県奈良市の奈良県文化会館にて開催される予定。
(編集部雑誌課・齋藤)