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第46回日本看護学会−急性期看護−学術集会




「特定行為に係る看護師の研修制度について」講演する洪愛子氏(左)
   第46回日本看護学会−急性期看護−学術集会が9月29〜30日に、大西満美子学術集会会長(愛媛県看護協会会長)のもと、愛媛県松山市のひめぎんホールにて開催された。今大会のメインテーマは「急性期医療を支える看護職の今、そして未来〜命を救い、想いをつなぐ看護〜」。病院完結型医療から地域完結型医療への転換期における「急性期看護のありかた」を模索する内容も多く見受けられ、口演136題、示説200題の計336題の演題が発表された。


◆急性期看護における最新知見を発信

 教育講演Uでは、真田弘美氏(東京大学大学院医学系研究科教授、日本看護協会副会長)が「クリティカルケア領域での挑戦!〜スキンテア(皮膚の裂傷)を知る〜」と題し、ICU入院中の高齢患者にサージカルテープによる皮膚の裂傷が多発していることや、このことが院内での虐待と受け取られ社会問題化していることを報告。分類、処置法のほか、最新のスキンケアの極意が紹介された。

◆「特定行為」試行事業参加者による急性期領域での活動報告

 交流集会U「特定行為に係る看護師の研修制度について」(座長:洪愛子氏・日本看護協会理事)では、すでに「特定行為に係る研修制度」を終え、クリティカル領域で活躍する木澤晃代氏(日本看護協会看護研修学校救急看護学科 主任教員)、吉田弘毅氏(国立病院機構災害医療センター 診療看護師)、山崎早苗氏(東海大学医学部付属病院看護部 救急看護認定看護師)が登壇。
 現状では「チーム医療のコーディネーターとしての役割を担っている」「手術室における情報共有の役割を担うことが多い」など、医行為を行うよりも医師またはその他の医療従事者と看護師のパイプ役としての活動を期待されることが多いと言い、あらためて「看護師職能を理解し、それぞれの職能を最大限に発揮することが重要」と述べた。

◆急性期医療提供体制の見直しは必至

 特別講演Tでは、高橋泰氏(国際医療福祉大学医療福祉学部教授)が「医療提供体制の将来像、地域包括ケアを支える急性期の看護職に求められる役割」をテーマに、急激な人口減少、少子高齢化が進む日本においては、医療提供体制の再編をせざるを得ないとしたうえで、なかでも、急性期医療のありかたが変化を迫られていると述べた。
 たとえば、これまでの日本の急性期医療を「治癒を目的として技術を尽くして診断・治療する『とことん型』」と表現するならば、今後求められるのは、「病気は完全に治らなくとも地域で生活を続けられるよう身体も環境も整えてくれるような生活支援型医療、つまり『まあまあ型』」であり、高齢になるほどこの傾向は強まる。そしてこのような医療の主な担い手はかかりつけ医や地域包括ケア支援病棟であり、これらで実際に患者を支えるのは看護師であると強調した。

 次回の第47回 日本看護学会・急性期看護学術集会は2016(平成28)年7月15〜16日 沖縄県宜野湾市(沖縄コンベンションセンター)にて開催される予定。

(編集部書籍課・篠原)