看護を中心に医療・保健・介護福祉の発展を支え続ける専門出版社

第47回 日本看護学会−看護管理−学術集会




シンポジウムTで講演する東京慈恵会医科大学附属第三病院の五味美春氏
   2016年9月27・28日に石川県金沢市にて第47回・日本看護学会−看護管理−学術集会(吉野幸枝学会長)が行われた。当学術集会では「看護の叡智と創造の発信〜看護の将来ビジョンを実現するマネジメント〜」というメインテーマのもと、様々な講演、交流集会、シンポジウムなどが行われた。
 今回はそのなかからシンポジウムT「在宅、地域へ看護をつなぐ〜看護管理者が進める地域包括ケアシステム〜」について報告する。


◆地域包括的な看護とは何?

 シンポジウムの冒頭では「地域包括的な看護とはどういうことだろうか」というテーマで聖路加国際大学の吉田千文氏が講演を行った。吉田氏は今後、地域包括ケアの実現には、@本当に一人ひとりが人間らしい暮らしができるようなしくみとなっているのか、A地域包括ケアを担う当事者は誰なのかが明らかになっているのか、Bケアの当事者は自分が行っている看護について、地域包括ケアのどの部分を担っているのかが明確なのか、という3つ視点が必要になってくると提言し、地域包括ケアシステムの重要な担い手となる病院の看護管理者が、これからは「病院を中心とした視点」から、「地域を中心とした視点」に発想を転換していくことが重要になると語った。

◆急性期病院が担う地域包括ケアの形

 また、東京慈恵会医科大学附属第三病院の五味美春氏は「地域に根差して活かされる急性期病院の役割−地域へつなぐ実践から−」というテーマで、患者や地域のことを考えた急性期病院の役割について語った。
 五味氏は「急性期病院は急性期医療を推進し、地域医療に貢献することが役割」だと語り、その実現のためには予定入院で安全・安心な治療や手術を提供する一方で、緊急入院を24時間365日断らずに引き受けることを両立させなければならないとした。
 その予定入院と緊急入院を両立させるために、東京慈恵会医科大学附属3病院(附属病院本院を除く第三病院、葛飾医療センター、柏病院)で導入しているPFM(Patient Flow Management=一人ひとりの患者の状況を把握し、退院後を見据えて入院から退院まで一貫した支援を提供するしくみ)の内容とその実践例を紹介した。この発表の際にはPFMには患者の退院後の在宅での生活を見据えた看護と地域連携が必須となることから、病棟で働く看護師たちも在宅で生活する患者の日常や地域連携に対して関心が高まっているということなどが報告された。

 次回、第48回・日本看護学会−看護管理−学術集会は、2017年10月12日(木)〜13日(金)にかけて、北海道札幌市・札幌コンベンションセンターにて行われる予定。

(編集部書籍課・齋藤)