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第49回 日本看護学会−在宅看護−学術集会




 

初日の基調講演(写真上)と2日の特別講演(写真下)の様子。両講演とも会場はほぼ満席で別会場への中継も行われた
   2018(平成30)年7月27〜28日、佐賀文化会館(佐賀県佐賀市)にて第49回日本看護学会−在宅看護−学術集会が開催された(学術集会会長・内田素子佐賀県看護協会会長)。当学術集会は両日併せて2,000名超と多数の参加者を集め、「地域でその人らしさを支える“在宅看護”」をメインテーマに、講演やシンポジウム、口演・示説発表などが行われた。

その人らしさとは可視化できないものである

 初日の基調講演では渡邉美也子氏(船堀ホームナースにじ 所長)が登壇し、「その人らしさとは何か」「訪問看護師の役割とは何か」についての講演を行った。
 同氏は「その人らしさ」について、@可視化できないものである、A過去の人生において長時間をかけて作られたものである、B他者に認識されることにより形成されるものである、C人間としての尊厳が守られている状態である、の4点にあると説明。「訪問看護師は、患者や患者家族の意思決定を支援しながら、その人らしさを知り、自己決定につながるよう支援するという役割が求められている」と述べたうえで、可視化できない「その人らしさ」に気付き、患者の意思決定プロセスを支えることの重要性とそのための過程におけるACP(アドバンスケアプランニング)の重要性を説いた。



地域を知ることで地域に必要なものが見えてくる  

 2日目の特別講演では佐賀県唐津市七山(旧 佐賀県東松浦郡七山村)唯一の診療所の医師である阿部智介氏が登壇、医師の立場から考えた「地域を知ることの大切さ」や「訪問看護・在宅医療の必要性」を論じた。
 同氏は、過疎化がもたらす地域医療への影響(高齢独居世帯の増加や医療・介護分野の人材不足など)について警鐘を鳴らしつつ、「限界集落での巡回診療」や「社会福祉協議会との協力による通院支援」、「保健師と連携した予防医療」など七山で行っている取り組みを紹介。ICTを活用したり多職種が連携して住民(ひいては地域)を支えたりすれば限界集落であっても住民の健康寿命延伸が可能であること、また住民が医療を必要とした際には在宅療養という選択肢を提示できることを訴えた。

 次回、第50回日本看護学会−在宅看護−学術集会は、2019月13〜14日に栃木県宇都宮市文化会館にて開催される予定。


(編集部・諌山)