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第49回 日本看護学会−看護管理−学術集会




災害への備えとして必要なことを語る橋洋子氏
   2018(平成30)年8月9〜10日、宮城県/仙台国際センターにて第49回日本看護学会−看護管理−学術集会が開催された(学術集会会長:佃祥子宮城県看護協会会長)。地域包括ケアシステムにおいて看護職へ大きな期待が寄せられていることから、「未来に向かって「つなぐ」をマネジメントする」をメインテーマに、講演やシンポジウム、口演・示説発表などが行われた。

◆シンポジウムU「3.11の教訓、命の尊さを未来へつなぐ」
 東日本大震災で得られた教訓から、看護管理者が行うべき備えについて示唆を得る目的で開催されたシンポジウム。シンポジストの一人、橋洋子氏(石巻赤十字病院医療社会事業部副部長)は、女川町立病院で看護部長をしていた際に震災を経験。このような災害に備え、今後病院が何をすべきかを語るなかで、最後に強調したのは、『受援マニュアル』の必要性についてであった。「看護職は患者を助けようとする気持ちが強いあまり、自分たちが支援を受けることについて意識することが少なくなりがち。しかし、スタッフを休ませることも管理者の重要な仕事。震災が起こると、ボランティアや支援スタッフがたくさん来てくれる。“その人たちに何をどのように任せるのか”について、あらかじめ考え、決めておくことでの必要性を痛感した。事前のマニュアル化を強く勧める」。


◆交流集会U「特定看護師の活躍を期待しマネジメントするために」
 特定行為に係る看護師の研修修了者(以下、特定看護師)にかかわるマネジメントをテーマとして、2名の講師が登壇し、自施設において特定看護師が担う役割や、組織内での位置づけについて報告した。講師の一人、瀬戸初江氏(東北医科薬科大学病院看護部長)は、「『いてくれると助かる』ではなく、不可欠な存在になってもらうことが目標。医師の代わりではなく、看護師としての視点から活躍してもらいたい」と大きな期待を語った。会場からは、「研修に行かせても施設内での理解が得られず、うまく活用できない」「給料などの待遇を良くすることが難しい」と相談が寄せられ、特定看護師について必要性を感じながらも、管理面の問題に苦慮している様子がうかがえた。また、特定行為が認定看護師教育に組み込まれようとしていることから、「特定看護師と認定看護師の棲み分けをどうするのか、どちらを優先して研修を受けてもらうべきかわからない」という困惑の声もあがった。

 次回、第50回日本看護学会−看護管理−学術集会は、2019年10月23〜24日に名古屋国際会議場にて開催される予定。


(編集部・塚田)